大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 平成2年(行コ)5号 判決

控訴人 谷内春枝

被控訴人 近畿財務局長

代理人 田中慎治 明石健次 ほか三名

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一申立て

一  控訴人

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人が昭和六一年一〇月二日付けで控訴人に対してした製造たばこ小売販売業の不許可処分(近財理第六二七号)を取り消す。

3  控訴費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文と同旨

第二主張及び証拠関係

次のとおり付加するほかは、原判決の事実摘示及び当審記録中の書証目録に記載のとおりであるから、ここにこれを引用する(ただし、原判決五枚目裏七行目の「五区分」を「六区分」と改め、同七枚目裏四行目の「三六」の前に「約」を加え、同八枚目表九行目の「被告」を「大蔵大臣」と改める)。

一  控訴人

1  身体障害者に対しても、制限距離をもつて許可基準とする通知二項、同三項一号は、身体障害者に対する関係において、職業選択の自由、職業活動の自由を定めた憲法二二条一項に違反する。

すなわち、たばこ事業法により、たばこの専売制度が廃止され、その結果本来であればたばこの小売販売業も自由化され、旧来に比して職業選択の自由、職業活動の自由は大幅に保障されるはずであつた。それにもかかわらず、同法二三条が当分の間小売販売業者について許可制をとつた理由は、既存の小売販売業者の保護と身体障害者等の優遇の二つの目的のためであつた。

ところが、身体障害者等については、専売制時代と同じく通知において標準距離に一〇〇分の八〇を乗じるという措置がなされているにすぎない。このように身体障害者等の優遇措置の具体的施策がたばこ専売法時代と同様であるということは、指定制から許可制に改変された趣旨を没却することとなるばかりでなく、その改変の二本柱のうちの一つを全く無視するものといわなければならない。特に身体障害者福祉法は、身体障害者の更生のため必要な保護を行い、生活の安定に寄与する等その福祉の増進を図ることを目的として立法され、その三条において、身体障害者の更生のための国及び地方公共団体の責務を定めているのであるから、国としては身体障害者の更生に最大限の援助を払うべきであることは当然であり、前述の専売制の廃止に伴い制定されたたばこ事業法の許可制採用の根拠をもあわせて考慮すると、既存小売販売業者の利益追求を阻害しないことを目的として、身体障害者に対してもまた小売販売許可を制約することは身体障害者の職業選択の自由、職業活動の自由を著しく阻害するもので、身体障害者に対する関係において憲法二二条一項に違反する。

2  仮に右通知が違憲でないとしても、たばこ事業法が暫時期間の許可制を採用した趣旨及び身体障害者福祉法三条の趣旨に鑑みれば、身体障害者に対しては、たばこの小売が全くの自由販売とされたことを仮定した場合と対比して、諸般の事情をしんしやくし、個別的、具体的に、かつ可及的ゆるやかな裁量をもつて許可の要件を判断すべきものというべきである。しかして本件においては、本件予定営業所である控訴人の自宅においてその家族が手広く食料品、酒類の小売販売業を営んでいるのであるから、身体障害者である控訴人が自宅で座居して販売が可能であり、その販売に全く労力、手数をかける必要のないたばこの小売は、控訴人の自立助長のため最適のものであつて、控訴人の申請を許可することこそ身体障害者福祉法三条に沿う国の責務であるといわなければならない。

したがつて、本件処分は裁量権の範囲を逸脱した違法なものである。

二  被控訴人

1  控訴人の主張1は争う。

たばこ事業法による小売販売業許可制は身体障害者等の優遇措置の確保を直接の目的とするものではない。

2  同2は争う。

理由

一  当裁判所の認定、判断は次のとおり付加、訂正、削除するほか、原判決理由説示のとおりであるから、ここにこれを引用する。

1  原判決一四枚目表二行目の「<証拠略>」の次に「<証拠略>」を加え、同裏末行の「二六・二ーセント」を「二九・二パーセント」と改める。

2  原判決一八枚目裏四行目の次に改行して次のとおり加える。

「(五) 控訴人は、当審における主張1で、身体障害者に対しても、制限距離をもつて許可基準とする通知二項、同三項一号は、身体障害者に対する関係において、職業選択の自由、職業活動の自由を定めた憲法二二条一項に違反すると主張するので判断する。

たばこ事業法が当分の間小売販売業許可制をとることとした理由は、昭和五六年当時全国で約二六万店にのぼるたばこ小売人の多くが零細な業者であり、身体障害者、寡婦等の社会的弱者も少なくないところから、たばこ小売販売業をまつたく自由にすると、社会的混乱を引き起こしかねない経営の激変が生ずるおそれがあるので、これを回避することを目的とする社会経済政策的見地からのものであり、距離基準による許可制限は右の目的を達成するために必要な措置であつて、その基準の決定はきわめて専門技術的、政策的な判断を要する事柄であるから、これを一定の範囲を限定して大蔵大臣の裁量に委ねたことが合理的であることは前記のとおりである。そして、たばこ小売販売業を行おうとする身体障害者に対してどのような優遇措置を講じるかは、身体障害者の福祉の増進を図るという身体障害者福祉法の目的を尊重しつつ、たばこ事業法が許可制を採用した右目的を考慮して、定められるべきものであり、通知が身体障害者についても右許可制限を除外せず、一般の距離基準の二割を緩和するものとしている措置は、合理的な裁量の範囲を逸脱するものとはいえないから、右通知の規定が身体障害者に対する関係において、憲法二二条一項に違反するものといえないことは明らかであり、控訴人の右主張は理由がない(なお、小売販売業許可制は控訴人主張のように身体障害者等の優遇を直接の目的とするものではない)。」

3  原判決一八枚目裏七行目の「<証拠略>」を削り、同八行目の「<証拠略>」の次に「<証拠略>」を加え、同一九枚目表一行目の「二項」を「二号」と改める。

4  原判決二〇枚目裏一行目の「2(二)」の次に「及び当審における主張2」を、同二一枚目表九行目の末尾に続けて「このことは、控訴人が当審で指摘する事情、同法三条の趣旨を考慮しても、同様である。」をそれぞれ加える。

二  以上の次第で、控訴人の本訴請求を棄却した原判決は正当であつて、本件控訴は理由がないから棄却することとし、控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民訴法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 石川恭 福富昌昭 竹中邦夫)

【参考】第一審(大阪地裁 昭和六一年(行ウ)第七九号 平成二年一月二六日判決)

主文

一 原告の請求を棄却する。

二 訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一 請求の趣旨

1 被告が昭和六一年一〇月二日付で原告に対してした製造たばこ小売販売業の不許可処分(近財理第六二七号)を取消す。

2 訴訟費用は被告の負担とする。

二 請求の趣旨に対する答弁

主文同旨

第二当事者の主張

一 請求原因

1 原告は、第Ⅰ腰椎圧迫骨折及び変形性脊椎症による体幹機能障害により、昭和五八年七月一日身体障害者手帳の交付を受けた身体障害者級別表による級別〈3〉級の第一種身体障害者である。

原告は、昭和六一年七月二日、被告に対し、たばこ事業法二二条一項、四四条、同法施行令八条に基づき、予定営業所を原告の肩書住所地(以下「本件予定営業所」という。)とする製造たばこ(以下、単に「たばこ」という。)小売販売業者の許可申請(以下「本件申請」という。)をした。

ところが、被告は、同年一〇月二日付で、右申請に対し、たばこ事業法二三条三号に規定する営業所の位置が不適当な場合、同法施行規則二〇条二号の距離不足にあたるとの理由で不許可とする処分(以下「本件処分」という。)をし、原告に通知した。

2 しかし、本件処分の根拠となったたばこ事業法二二条、二三条三号、同法施行規則二〇条二号等は違憲であり、本件処分は効力を有しない。又本件処分は違法である。

3 よって、原告は、本件処分の取消を求める。

二 請求原因に対する認否

1 請求原因1の事実は認める。

2 同2の主張は争う。

三 被告の主張

1 たばこ小売販売業許可制及び距離基準による許可制限の合憲性

(一) たばこ事業法におけるたばこ小売販売業許可制の合憲性

たばこ小売販売業許可制(たばこ事業法二二条一項)は、国民経済の健全な発展を期するための社会政策及び経済政策上の積極的目的に基づくものであって、公共の福祉に適合する目的のための必要かつ合理的な規制措置である。

すなわち、たばこ事業法により廃止されたたばこ専売法のもとで、長年の間、距離基準等の指定基準によって運用されてきた小売人指定制度により流通秩序の維持が図られてきたが、専売制度の廃止にともない一挙にたばこ小売販売業を自由とし、自由な経済原則、競争に任せることにすれば、特別の専門的知識を要せず場所さえあればさほどの資本投下を要しないで容易に開業できる小売販売業者が激増・乱立することは必至であり、約八〇年間にわたるたばこ専売制度のもとで、一定の秩序を形成してきた流通分野に多大な悪影響を及ぼすことは容易に予測できる。特に、全国で約二六万店もある既存のたばこ小売販売店は、零細な業者が多く、経営悪化、共倒れ等の社会的・経済的混乱を惹起する可能性が大きい。このような既存の小売販売業者の実態等に鑑みて、専売制度の廃止による激変を回避しようとの見地から、新たな流通秩序が形成され、許可制を廃止しても社会経済的混乱を生じるおそれのない状況に至るまでの「当分の間」との限定付で、たばこ小売販売業についての許可制が採用されたのである。そして、小売販売業許可制により、小売販売業者の乱立による流通経費及び管理費の増大や、これに伴う小売価格の上昇による国内たばこ産業の衰退を防ぐことができ、財政収入の安定的確保及び消費者利便の確保も図れる。さらには、小売販売業者乱立による適当競争に伴う未成年者の喫煙問題やたばこ事業法三六条が禁止している定価外販売も防止できるという付随的効果も期待できる。

(二) 距離基準による許可制限の合憲性

(1) ところで、たばこ事業法は、たばこ小売販売業の許可制を採用した目的を達成するため、たばこ事業法二三条三号において、当該地域の環境特性及びたばこに対する需要量並びに流通経費の低減等の要請からみて、営業所をいかなる基準によって配置することが適正かつ合理的であるか、そして、この適正かつ合理的な配置をいかにして行うのかは、事柄の性質上一義的に定まるものではないとの前提のもとに、これを国の財政をつかさどる大蔵大臣の合理的、政策的な裁量に委ねた。大蔵大臣は、右規定を受け、たばこ事業法施行規則二〇条二号において、「予定営業所と最寄りの小売販売業者の営業所との距離が、大蔵大臣の定める場合を除き、予定営業所の所在地の区分ごとに、二五メートルから三〇〇メートルまでの範囲内で大蔵大臣が定める距離に達しない場合」を営業所位置の不適当な場合の一つとして定めて、許可基準として距離基準を採用した。

(2) さらに、小売販売業の許可が恣意に流れるのを防止するとともに、各財務(支)局長により矛盾、差異が生じることがないよう右規定の趣旨を具体化させた内部運用基準として「たばこ事業法等の規定に基づき大蔵大臣が定める事項について」の依命通知(昭和六〇年三月二八日蔵専第五六号。以下「通知」という。)及びその運用に関する「製造たばこ小売販売業許可等取扱要領」(同年四月一日蔵理第一二四一号。以下「取扱要領」という。)を制定し、具体的な距離基準を規定している。その内容は次のとおりである(以下、たばこ事業法、同法施行規則、通知の規定に基づく許可制限に関する距離基準を「本件基準」という。)。

通知は、予定営業所の所在地の地域区分として指定都市、市制施行地、町村制施行地の三区分を、環境区分として、繁華街A、同B、市街地、準市街地、住宅地A、同Bの五区分をそれぞれ定め、この地域区分及び環境区分に応じて、規則二〇条二号の規定する範囲内でそれぞれの具体的な距離基準を定め(通知二項。地域区分、環境区分のそれぞれの基準は別紙通知の別表一、二、基準となる距離は別紙通知二項の表のとおりである。)、人口の多寡や人の流動性の高低に応じて距離に長短を設けて、参入規制距離を変化させている。加えて、福祉国家理念の要請に基づき、身体障害者及び寡婦等については、一般の者に比して許可が容易に付与されるよう基準の緩和を図っている(通知三項一号)。また、閉鎖性及び滞留性のある施設内で販売しようとする場合、大規模な団地内もしくはその周辺に位置する場合、主要な駅、バスターミナル等の周辺に位置する場合、廃業跡地付近に位置する場合等当該地域の特性及び実態等に応じ、当該申請者に適用する距離基準を排除もしくは緩和する例外規定を数多く定め、弾力的な運用を行っている。また、実際に既存の小売販売業者との距離の測定は、通常人車の往来する道路に沿って測定することとし、線路、河川等があって消費者の通行に支障を来すような場合には測定の対象としないこととするなど、地域の実情を十分に考慮した方法によって行うことにしている。

(3) (1)及び(2)の各規定の基準(本件基準)によるたばこ小売販売業許可の制限は、右のとおり、前記(一)の目的を達成するための手段、態様として合理的である。

2 本件処分の適法性について

本件申請には、次のとおり、たばこ事業法二三条三号、同法施行規則二〇条二号、通知二項に定める不許可事由が存在する。

(一) 本件予定営業所の位置は、京都市内にあるが、京都市は人口五〇万人以上の市制施行地であり、通知別表一の地域区分の「指定都市」に該当し、右予定営業所が面する街路が商店及び事業所等が連続している地域であることから、通知別表二の環境区分の「市街地」に該当する。

(二) 地域区分が「指定都市」で、環境区分が「市街地」の場合、たばこ事業法施行規則二〇条二号に規定する大蔵大臣の定める距離(以下「標準距離」という。)は、通知二項の表によると、一〇〇メートルであり、本件予定営業所は、最寄りの小売販売業者の営業所(以下「既設営業所」という。)と一〇〇メートル以上離れていなければならないことになる。

(三) 原告は、身体障害者福祉法四条に規定する身体障害者に該当するから、通知三項一号により、右(二)の標準距離一〇〇メートルに一〇〇分の八〇を乗じた八〇メートルが原告に適用される標準距離となる。

(四) 本件予定営業所と既設営業所である吉田としの営業所との距離は、三六メートルであり、右(三)の標準距離八〇メートルを下回っている。

(五) なお、通知四項に定める環境区分の準市街地又は住宅地A、同Bに該当する地域では、固定客が相当の割合で存在するとの特殊事情が認められることがあるところから、そのような地域における消費者の利便を考慮して、申請者の予定営業所において算出した取扱予定高が、同項の取扱高基準の表の二区分上の取扱高基準に適合する場合には、通知二項の距離基準の表において一区分緩和した距離を基準とする配慮を行なっている(製造たばこ小売販売業許可等事務処理規程一九条の二)。これに対し、繁華街A、同B又は市街地の環境区分に該当する地域については、経験則上、当該小売販売業者を固定的に利用する消費者は極めて少なく、流動客がその大半を占めており、もともと、右事情を前提として標準取扱高を設定しているから、準市街地又は住宅地A、同Bの場合のような固定客を前提とした緩和措置を設ける必要はなく、また、右のような緩和措置をいかなる場合に設けるかは、被告の専門技術的な裁量の範囲に属する。本件予定営業所は、通知四項の環境区分では市街地に該当し、右緩和措置の適用を受けるものではなく、また、市街地については、所定の取扱高基準(本件の場合は、一〇万五〇〇〇本)を満たしているとみなされるので、本件予定営業所において見込まれる取扱高の算定を行わなかったとしても、本件処分の適法性には影響はない。

3 後記裁量権の逸脱ないし濫用の主張に対する反論

(一) 原告の既設営業所である吉田としの営業所は、本件予定営業所からわずか約三六メートルの距離にあって、しかも、本件予定営業所と同様に河原町通の西側に面しているのであるから、原告と吉田のたばこ小売販売店とは、かなりの競争関係が生じることになる。また、本件予定営業所周辺には、右吉田のほか複数の小売販売業者が配置され、これらの業者は、いずれも夜間の消費者にも対応し得る自動販売機を併設して通常の営業を行っているから、当該地域の夜間の購買利便は図られている。

(二) 身体障害者福祉法は、身体障害者の更生を援助し、必要な保護を行い、もって身体障害者の生活の安定に寄与する等その福祉の増進を図ることを目的として、身体障害者に対し、種々の優遇措置・配慮を図る規定を設けているが、いずれも、身体障害者保護の必要性と他者との利益との調整・調和を図っており、いかなる場合にいかなる優遇措置を設けるかは、立法府の裁量に属する問題であって、原告が身体障害者であるからといって、いかなる場合であっても小売販売業の許可を与えなければならないことにはならない。また、前記1(二)(2)のとおり、通知には、小売販売業許可の申請者が身体障害者等の経済的弱者である場合の距離基準の適用について一定の緩和措置が設けられている。そして被告は、原告の本件申請に対し、右通知にしたがって緩和された基準を適用したうえで本件処分を行ったのであり、身体障害者福祉法二四条一項の規定に則った特別の配慮をしている。さらに、同法二四条一項は、たばこ事業法「二三条各号の規定に該当しないときには」と規定し、欠格事由の存しない場合には、許可を与えるように努めなければならないとしており、無条件で許可を与えることを要求しているものではない。また、身体障害者福祉法は、その立法趣旨を十分に考慮して小売販売業許可制を運用するという行政の指針を示したものにとどまり、身体障害者につき具体的にどのような優遇措置を講じるかは、行政庁の専門技術的・政策的判断を尊重して、行政庁の裁量に委ねられている。通知による前記優遇措置は、身体障害者福祉法の目的とたばこ事業法で小売販売業許可制を採用した目的との利益調整を図った合理的なもので、違法、不当な点はない。

四 原告の反論

1 たばこ事業法二二条は、たばこ小売販売業を行うにつき許可制を採用し、同法二三条三号、同法施行規則二〇条二号等は、その許可の欠格事由の一つとして距離基準を設けているが、右規制は、たばこ小売販売業につき許可制を採用したたばこ事業法二二条の目的を達成するうえで必要かつ合理的なものということはできず、職業選択の自由を保障した憲法二二条一項に違反する。

(一) たばこの小売販売業者は、一般にたばこの販売だけを行うことはむしろ稀であり、通常は他の物品の販売を兼業しているので、仮に、本件基準によるたばこ小売販売業の規制がないとしても、同業者の近接によるたばこの販売減少がただちにいわゆる共倒れにつながることはないし、仮に共倒れが生じてたばこ小売販売業者の数が減少するとしても、他の小売販売業者に需要が移動して全体としてのたばこ販売量は変化しない。したがって、本件基準によるたばこ小売販売業の規制は、たばこ販売量の確保ひいては財政収入の安定的確保とは十分な関連性を有しない。

(二) 右の関連性が認められるとしても、それは極めて微弱なものであって、それだけの効果のために、国民の重要な人権である職業選択の自由に対して本件基準による許可制のような強力な制限を加えることは許されない。

2 たばこ事業法二三条は、同条各号の一に該当するときは、申請を許可しないことができると規定しており、同条各号該当事由があるときでも、処分庁は許否の裁量を有するところ、次の事情からすると、本件処分には右裁量権を逸脱ないし濫用した違法がある。

(一) 原告は、従来、その夫とともに食料品及び酒類の販売を行っており、その営業時間は深夜に及び、営業時間外でも販売に応じているため、全市内から自動車で食料品や酒類を買いに来る客が多く、それらの客中にたばこの販売を要望する者が多い。そのため、本件予定営業所から南に約三九メートルの距離に吉田としのたばこ小売販売店があるものの、原告は、同店との競合を生じることなくたばこの小売販売業をすることが可能である。また、原告の所在地は、京都市内の主要道路である河原町通に面し、付近には京都地方法務局や京都府立医科大学附属病院など公共施設が多く、周辺の交通量は近時飛躍的に増加しているので、二つのたばこ小売販売店が若干近接していたとしても、共倒れが生じることはない。

(二) 原告は、身体障害者であるので、身体障害者福祉法二四条の趣旨ひいては生存権保障の見地から、原告の許可申請に対しては特別の配慮を要する。

五 原告の反論に対する認否

1(一) 同1冒頭の事実中、たばこ事業法の規定の存在は認めるが、主張は争う。

(二) 同1(一)、(二)の事実及び主張は争う。

2(一) 同2冒頭の事実中、たばこ事業法二三条の規定の存在は認め、主張は争う。

(二) 同2(一)の事実中、本件予定営業所の南方向に吉田としのたばこ小売販売店があることは認め、その余の事実は不知ないし争う。

(三) 同2(二)の事実中、原告が身体障害者であることは認めるが、主張は争う。

第三証拠 <略>

理由

一 請求原因1の事実は、当事者間に争いがない。

二 たばこ小売販売業許可制と本件基準による許可制限の合憲性

1 たばこ小売販売業許可制の概要とその合憲性

(一) たばこ事業法(昭和五九年法律第六八号)二二条一項は、「製造たばこの小売販売を業として行おうとする者は、当分の間、その製造たばこに係る営業所ごとに大蔵大臣の許可を受けなければならない。」と規定している(なお、大蔵大臣の右権限は、同法施行令八条により、小売販売業者の営業所の所在地を管轄する財務(支)局長に委任されている。)。

(二) ところで、営業の自由に対する規制の目的が公共の福祉に合致すると認められる以上、そのための規制措置の具体的内容については、立法府の判断が合理的裁量の範囲にとどまる限り、立法政策上の問題としてその判断を尊重すべきであり、特に、社会政策ないし経済政策上の積極的な目的のための措置については、立法府の裁量は大きく、立法府がその裁量を逸脱し、当該規制措置が著しく不合理であることが明白である場合に限って、これを違憲として、その効力を否定することができるものと解すべきである(最高裁昭和四五年あ第二三号昭和四七年一一月二二日大法廷判決、刑集二六巻九号五八六頁参照)。以下、右見地にしたがって、たばこ小売販売業許可制の合憲性を判断することにする。

(三) たばこの販売等の権能を国に専属させるたばこ専売制度は、明治三七年から実施され、たばこ専売法(昭和二四年法律第一一一号)のもとでもこれが維持され(同法二条)、日本専売公社が右権能を行使することとし(同法三条)、たばこの小売販売業は、日本専売公社または日本専売公社の指定した小売人でなければこれをしてはならないこととし(同法二九条)、いわゆる小売人指定制を採用していた。

しかし、昭和六〇年四月一日施行されたたばこ事業法及び日本たばこ産業株式会社法により、たばこ専売制度は廃止され、日本専売公社は株式会社に改組され、日本たばこ産業株式会社となるに至った。<証拠略>によると、この立法に際しては、小売人指定制を一挙に廃止した場合には、零細小売人の経営規模の緒小、経営悪化あるいは共倒れ等社会的混乱が起きるなど、約八〇年に及ぶ専売制度の歴史の中で一定の秩序を形成してきた流通分野に少なくない影響があり、ひいては財政収入の安定的な確保にも悪影響が生じることが懸念されたので、小売人に対する激変を回避するとの見地から、当分の間、小売販売業を全く自由にすることなく、許可を受けた者に限り営業できる制度にしたものと認められる。右許可制の目的は、右の社会経済政策的見地に基づくものであり、公共の福祉に適合するものと評価できる。

(四) <証拠略>によれば、昭和五六年のたばこ小売人の小売店は、全国で約二六万店(全小売店数の約一五パーセント)あること、そのうち、昭和五五年度における一か月当たりのマージン額が五万円未満の店は、全店数の四〇・六パーセントで、その全売上高に占める割合は一四・九パーセント、同五万円以上一〇万円未満の店は、全店数の三五・三パーセントで、その全売上高に占める割合は三〇・一パーセント、同一〇万円以上二〇万円未満の店は、全店数の一八・二ーセント、その全売上高に占める割合は二六・二ーセントであること(全体については別表一記載のとおり)、昭和五四年度における、たばこ小売店の専業店及び兼業店別の一店当たりの従業員数、店輔面積、年間売上高、年間粗利益の平均値は、別表二のとおりであること、たばこ小売販売業は、特別の専門的知識を要せず、また、場所さえあればさほどの資本投下することなく容易に開業できるという特性をもった業種であること、近年におけるわが国のたばこの消費は、ほぼ横ばいないし微増で推移し、今後も同様な状態が続くと予想されること、たばこ小売販売業の許可申請件数は、昭和六〇年度が二万一七六〇件、昭和六一年度が二万六七五件、昭和六二年度が二万一八五一件であること、たばこ専売法時代には、身体障害者福祉法、母子及び寡婦福祉法等により、身体障害者や寡婦などの開業に際し、社会福祉的配慮が加えられ、小売人の中には身体障害者や寡婦も少なくなかったことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。

右認定事実のとおり、既存のたばこ小売販売店は、多数の店数にのぼり、その多くが小規模、零細な業者であるばかりか、社会福祉的な配慮により開業を認められた社会的弱者も少なくないのに対し、たばこ小売販売業は開業が容易でしかも開業希望者が多数にのぼることからすると、たばこ小売販売業をまったく自由にすれば、限られた消費のもとで、過当競争が起こり、零細小売販売業者の経営規模の縮小、経営の悪化さらには共倒れといった事態が生じ、ひいては社会的混乱が起きるであろうことは容易に予測できるところである。

したがって、たばこ事業法二二条一項が、そうした混乱を生じさせる激変を回避する目的のために、「当分の間」との限定付きで、たばこ小売販売業について実質的に従前の小売人指定制の実体を継承するたばこ小売販売業許可制を採用したことは、前記目的の実現のための必要かつ合理的な措置と認めることができ、同条項には立法府の合理的裁量の範囲を逸脱することはなく、憲法二二条一項に違反するものではないというべきである。

2 たばこ事業法二三条三号、同法施行規則二〇条二号及び通知の合憲性

(一) たばこ事業法二三条は、大蔵大臣が、小売販売業許可申請があった場合に許可しないことができる事由を規定し、その一つとして、同条三号は、「営業所の位置が製造たばこの小売販売を業として行うのに不適当である場合として大蔵省令で定める場合であるとき」と規定し、右規定を受け、大蔵省令である同法施行規則二〇条二号は、営業所位置の不適当な場合の一つとして「予定営業所と最寄りの小売販売業者の営業所との距離が、大蔵大臣の定める場合を除き、予定営業所の所在地の区分ごとに、二五メートルから三〇〇メートルまでの範囲内で大蔵大臣が定める距離に達しない場合」と規定し、通知は別紙のとおり右の「大蔵大臣の定める場合」、「大蔵大臣が定める距離」を定めている(<証拠略>)。

(二) 距離基準によるたばこ小売販売業への参入規制は、たばこ専売法時代の小売人指定制のもとでも行われ(たばこ専売法三一条一項三号等)、たばこ事業法のもとでの小売販売業許可の欠格事由中の距離基準はこれを引継ぐものであり、たばこ事業法附則一〇条一項で、同法施行の際現に小売人である者は、施行日において同法二二条一項の規定による小売販売業者とみなす旨規定したことと相俟って、本件基準による小売販売業の許可制限は、専売制度廃止に伴う激変を回避して、過当競争から零細小売業者の経営規模がさらに縮小し、経営の悪化、共倒れすることを防ぐという前記の小売販売業許可制の目的をもっとも直截に実現するものと評価することができる。また、たばこ小売販売業の許可制を採用した目的を達成するために、営業所をいかなる基準によって配置することが適正かつ合理的であるかの判断は、当該地域の環境特性及びたばこに対する需要量並びにそのときどきのたばこ小売販売業の実態を踏まえて行われるきわめて専門技術的、政策的な判断を要する事柄に属するから、たばこ事業法二三条三号、同法施行規則二〇条二号が、右判断を一定の範囲を限定して大蔵大臣の合理的な裁量に委ねたことも合理的な措置と評価することができる。

(三) <証拠略>を総合すると、大蔵大臣が定めた通知は別紙のとおりであって、その基準は、従来の小売人指定制のもとでの指定基準の一つの距離基準のそれとほぼ同内容のものであることが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。

通知の基準は、参入規制する予定営業所と既設営業所との距離に人口の多寡や人の流動性の高低に応じて長短を設けるなど地域の特性や実態に応じた規制を行ない、また、身体障害者や寡婦については、その規制距離を緩和して社会福祉的な配慮を加えており、その基準には特段不合理な点は見当らない。

(四) そうすると、たばこ事業法二三条三号は、公共の福祉に合致する目的のための規制措置として、立法府の合理的裁量の範囲を逸脱するところはなく、右規定を受けた同法施行規則二〇条二号、通知の基準もその内容においてたばこ小売販売業許可制を採用したたばこ事業法の目的に照して合理的であり、憲法二二条一項に違反するものではないというべきである。

三 本件処分の適法性

1 不許可理由への該当

<証拠略>を総合すると、被告の主張2(一)ないし(四)の事実が認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。

右事実によれば、原告の本件申請については、たばこ事業法二三条三号、同法施行規則二〇条二項が規定する欠格事由があることになる。

2 裁量権の逸脱・濫用の主張について

(一) 原告の反論2(一)について

右1の認定事実、<証拠略>によれば、本件予定営業所が面する河原町通は、京都市内で人及び自動車の通行量の多いことでは有数の道路であること、原告の夫は本件予定営業所において食料品及び酒類の小売業を行っており、原告はその事業専従者となっていること、右小売店の営業時間は深夜まで及んでいること、原告ないし原告の夫は来店した客に右店にたばこを置くことを要望する旨の署名を求め、数千名の署名を集めたこと、本件予定営業所の既設営業所である吉田としの営業所は、河原町通の本件予定営業所が面するのと同じ側でしかも同じ区画に位置し、本件予定営業所との距離はわずか約三六メートルしかないこと、吉田としの小売販売店はじめ本件予定営業所の近辺の既設小売販売業者はいずれもたばこの自動販売機を設置していること、通知は、人口の多寡や人の流動性等予定営業所の地域の実情に応じて制限距離を定めており、当該予定営業所で見込まれる売上高に影響が大きいとみられる当該地域の購買者数とその特性等の要素も加味されていることが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。右事実によれば、本件予定営業所におけるたばこの小売業によって既設の営業所の売上高に影響を与えることは避け難いところであるし、又、本件予定営業所においてたばこを販売しなくても、既設の営業所の自動販売機での販売によってその周辺の夜間の需要には十分に対応できると考えられ、右事情にたばこ事業法がたばこ小売販売業につき許可制を採用した前記趣旨目的を合わせて考慮すると、被告の本件処分に裁量権の逸脱ないし濫用があるとはいえない。

(二) 原告の反論2(二)について

身体障害者福祉法二四条一項は、身体障害者がたばこ小売販売業の許可を申請した場合においてたばこ事業「法第二三条各号の規定に該当しないときは、大蔵大臣は、当該身体障害者に当該許可を与えるように努めなければならない。」と規定しているところ、原告の本件申請については、たばこ事業法二三条三号に該当することとなるから、大蔵大臣が身体障害者福祉法二四条一項により許可に努めることを義務づけられている場合には当たらないといいうる。

また、通知三項一号は、身体障害者及び寡婦等に適用する標準距離は、そうでない者について参入規制の基準となる距離に一〇〇分の八〇を乗じて得たものとすることとしており、被告が原告に適用した標準距離も右の緩和措置を講じた後のものであることは、前記1の認定事実のとおりであって、被告は、身体障害者である原告の本件申請に対し、身体障害者福祉法二四条一項が求めている社会福祉的な配慮を加えて審査判断しているものということができる。したがって、本件処分は同条項ないしそのもととなっている精神に悖るものではないというべきであり、原告が身体障害者であるとの事情を勘案しても本件処分に裁量権の逸脱ないし濫用があったということはできない。

四 以上判断のとおり、本件処分は適法であって、原告の本件請求は理由がないのでこれを棄却し、訴訟費用の負担につき、行訴法七条、民訴法八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 井関正裕 佐々木洋一 朝日貴浩)

別  紙

蔵専第56号

昭和60年3月28日

各財務(支)局長 殿

大蔵省大臣官房

日本専売公社監理官

松原幹夫

たばこ事業法等の規定に基づき大蔵大臣が定める事項について

たばこ事業法(昭和59年法律第68号)附則第7条及びたばこ事業法施行規則(昭和60年大蔵省令第5号)第20条第2号及び第21条の規定に基づき大蔵大臣が定める事項は、下記のとおり定められたので、命により通知する。

1 たばこ事業法附則第7条に規定する大蔵大臣の定める率は、100分の10とする。

2 たばこ事業法施行規則第20条第2号に規定する大蔵大臣の定める距離は、別表一に規定する地域の区分に応じ、別表二に定める基準による環境の区分に応ずる次の表に掲げる距離とする。

(単位:メートル)

環境区分

地域区分

繁華街

(A)

繁華街

(B)

市街地

準市街地

住宅地

(A)

住宅地

(B)

指定都市

25

50

100

150

200

300

市制施行地

100

150

200

200

300

町村制施行地

150

200

200

300

3 たばこ事業法施行規則第20条第2号に規定する大蔵大臣が別に定める場合は、次のとおりとする。

(1) 申請者が、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)第4条に規定する身体障害者又は母子及び寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)第5条第3項に規定する寡婦若しくは同条第4項に規定する配偶者のない女子で現に児童を扶養しているものである場合で、予定営業所と既設営業所の距離が前項の表に掲げる距離に100分の80を乗じて得た距離に達している場合

(2) 申請が、たばこ事業法施行規則第19条第1項第1号チに規定する特定小売販売業を内容とするものである場合

(3) 予定営業所の位置が、店舗を設けることのできる区域が制限されている大規模な団地内の当該区域内の場合にある場合

(4) 予定営業所の所在地が、沖縄県にある場合

4 たばこ事業法施行規則第21条に規定する大蔵大臣が別に定める数量は、一月当たり、別表一に規定する地域の区分に応じ、別表二に定める基準による環境の区分に応ずる次の表に掲げる数量とする。

(単位:千本)

環境区分

地域区分

繁華街

(A)

繁華街

(B)

市街地

準市街地

住宅地

(A)

住宅地

(B)

指定都市

150

135

105

85

75

55

市制施行地

105

85

75

65

40

町村制施行地

85

75

65

40

5 たばこ事業法施行規則第21条に規定する大蔵大臣が別に定める場合は、次のとおりとする。

(1) 申請者が、身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者に該当する者又は母子及び寡婦福祉法第5条第3項に規定する寡婦又は同条第4項に規定する配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもので、予定営業所の取扱いの予定高が前項の表(申請が特定小売販売業を内容とする場合は次号の表)に掲げる本数に100分の80を乗じて得た本数に達している場合

(2) 申請が、特定小売販売業を内容とするもので、別表一に規定する区分に応じ、別表二に定める基準による環境の区分に応ずる次の表に掲げる数量に達している場合

(単位:千本)

環境区分

地域区分

繁街地

(A)

繁街地

(B)

市街地

準市街地

住宅地

(A)

住宅地

(B)

指定都市

75

75

75

75

65

40

市制施行地

75

75

65

45

30

町村制施行地

75

65

45

30

(3) 予定営業所の所在地が、沖縄県にある場合

別表一

地域の区分

区分の基準

指定都市

人口50万人以上の市制施行地、東京都の特別区及びその他別に定める市制施行地

市制施行地

上欄に規定する指定都市以外の市制施行地

町村制施行地

町村制施行地

別表二

環境の区分

認定の基準

繁華地

(イ) 遊興飲食施設が大部分を占めている街路(当該施設が特に大規模なまとまりを形成している場合に限る。)

(ロ) 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律(昭和四十八年法律第百九号)第2条第2項に規定する大規模小売店舗を含む大規模な商店街

(ハ) 大規模な駅、バスターミナルその他これらに準ずる交通の拠点から連続している大規模な商店街

(ニ) (ロ)又は(ハ)に該当しない商店街で特に大規模なもの

(ホ) 観光客施設が大部分を占めている街路(当該施設が特に大規模なまとまりを形成している場合に限る。) (同一の指定都市にある繁華街のうち人が特に多く集まると認められる街路は、繁華街(A)とし、その他を繁華街(B)とする。)

市街地

市街地形成施設が大部分を占めている街路(繁華街に該当するもの及び小規模な商店街を除く。)

準市街地

(イ) 準市街地形成施設が大部分を占めている街路

(ロ) 繁華街、市街地、住宅地(A)又は住宅地(B)のいずれにも該当しない街路

住宅地(A)

住宅と農地等が大部分を占めている街路(当該街路において農地等が二分の一を超える部分を占めている場合及び農地等の中に住宅が小規模な集団を形成している地域における街路を除く。)

住宅地(B)

農地等が二分の一を超える部分を占めている街路(農地等の中に住宅が小規模な集団を形成している地域における街路を含む。)

(注)

一 「遊興飲食施設」とは、遊技場、料理店、バー、喫茶店、劇場その他これらに準ずる施設をいう。

二 「商店街」とは、商店が隣接している街路をいう。

三 「観光客施設」とは、観光地にあるみやげ物店、旅館その他観光客を対象とする施設をいう。

四 「繁華街形成施設」とは、遊興飲食施設、観光客施設、大規模小売店舗をいう。

五 「市街地形成施設」とは、繁華街形成施設及び銀行、官公庁、旅館、一般商店、事務所(小規模なものを除く。)その他これらに準ずる施設をいう。

六 「準市街地形成施設」とは、運動・レジャー施設、工場、学校、小規模な事務所その他これらに準ずる施設をいう。

七 「農地等」とは、農地、空地その他これらに準ずるものをいう。

別表一

たばこ小売マージン額階層別の店数・売上高割合(昭和55年度)〈省略〉

別表二

たばこ小売店の経営概況(昭和54年度)

区分

1店当り従事人員

店舗面積

年間売上高

年間粗利益

全体

うち たばこ

全体

うち たばこ

専業店

1.8

m2

9.2

万円

890

(91.7)

816万円

万円

91

(89.0)

81万円

兼業店

2.7

53.7

3,087

(28.8)

890

522

(16.7)

88

2.4

42.4

2,529

(34.4)

871

412

(20.9)

86

(注) 1 たばこ販売店経営実態調査による。

2 ( )書は、たばこの割合(%)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例